あたしの初彼☆王子様はお姫様??

「元気だった?桃歌ちゃん」



そう言って、あたしの髪を撫でる葉瑠夏君。



そっと優しく髪を触られ、



それだけであたしは固まってしまう。



「あ、うん…。向陽君、大丈夫?」



「ダメダメ~!あいつ、熱が下がらないんだよねぇ…。だから、今日は俺、向陽の代理で来ました~!宜しくお願いしますっ♪」



「はっ?代理って、葉瑠夏君が一緒に行くの?」



「うん!宜しく!いいですかね?一樹さん?」



「向陽が来れないのは残念だけど、よかったじゃん、桃ちゃん~!」



一樹は笑顔で葉瑠夏君に手招きした。



葉瑠夏君はあたしの隣に座り、



あたしの耳元で、



「桃歌ちゃんとデート、嬉しいな」



と、ささやくように言った。