あたしの初彼☆王子様はお姫様??

そんな会話をしているうちに、



香理奈が席に戻ってきた途端、



驚きの顔で店の入り口を指差した。



「うわっ…え??……見て見て…桃、あの男の子、向陽君に超似てない??」



一樹とあたしは香理奈が指差す方に視線を向けた。



「マジ、……超似てんじゃん♪」



一樹も思わずつぶやく。



だけど、あたしだけはその人物を知っていた。



「ねぇ、桃はそう思わないの??ほらっ…こっちの方に歩いて来るよ」



香理奈はあたしの反応の薄さに不思議そうだ。


あたしはドキドキする気持ちを隠しながら、



出来る限りの冷静さを装って、



「あの人、向陽君の弟だよ…」



と香理奈に向かって言った。