あたしの初彼☆王子様はお姫様??

「ねぇ、一人??カラオケ行かない??ねぇ、ねぇ♪」



一人で歩いているといつもこれ。



「無理!!」



近づいてきた知らない制服の男。



今日はこれで2度目。



「なんでよ??遊ぼう~~。キミ、めちゃくちゃカワイイじゃん~!」



馴れ馴れしく腕を掴もうとする男を振り切るあたし。



もう言葉さえ口に出すのも嫌になる。



ため息しか出てこない。



あたしは黙ったままその男に背を向ける。



「………」



「ちっ…シカトかよっ」



男なんて…こんなのばっかりだし。



そんな男のためにいちいち気を使って言葉を並べるなんて、



あたしにはただの苦痛でしかない。



愛想笑いなんかしない。



良く思われようなんて考えない。



男に媚びたりなんか絶対しない。



可愛い子気取りで演技したりする女にはなれない。



それがあたしなんだ。



別にあたしはそれ以上でもそれ以下でもない。