あたしの初彼☆王子様はお姫様??

「桃はさぁ、向陽君と今度いつ会うの??早くデートしなきゃね♪きゃぁ~~楽しみじゃん」



「だからぁ…そんなんじゃないって……」



鏡に映った自分を見ながら思う。



あたし、どうかしてる…。



だって、そうでしょ…。



なんで……向陽君じゃなく、葉瑠夏君なの??って……。



あんな態度の…あんな最悪な印象しかなかった葉瑠夏君のことを、



普通なら「最低な奴」って嫌ってしまってもいいくらいなのに。



でも、鏡に映るあたしはその疑問の答えを知るのを避けている。



「桃にも彼氏かぁ~~♪それもあたしと一樹のおかげだよねぇ♪」



あたしのこの気持ち。



この気持ちが何なのか。



きっとあたしはたぶん、そう…少しだけ分かってはいるんだ。



でも……そんなの初めてで、



認めたくない気持ちと、



気づきたくない気持ちであたしの頭の中は混乱していた。