やっぱり男の子に『綺麗』なんて言うのは変だったかな??



普通なら『綺麗』は、女の子へのほめ言葉だもんね。



「なんか……変な事、言っちゃって…ゴメンね、葉瑠夏君」



「別にいいよ…気にしないで」



葉瑠夏君から消えた笑顔。



あたし、そんな気にさわるような事…言ったかな??



「ほらっあのさ、葉瑠夏君…愛原ルカってモデル知ってる??今ね、女の子の間ではスゴイ人気の子でね…」



あたしの言葉に、葉瑠夏君は小さなため息をついた。



「……知ってるよ」



そしてひと言だけ、そうつぶやくと、また表情を曇らせる。



「その子に葉瑠夏君がスゴク似てるなぁって、思ったことがあって……。それで……」



「やっぱ、桃歌もそのモデルの子、知ってんだ……」



「え?うん。だって超有名だし、この前、その子の載ってる雑誌も買ったよ」



「へぇ……。その子が俺に似てんの??……桃歌もそう思うの??」



「………えっ……」