「君たちかぁ」 「はい。」 「どれとどれを買ってくれたんだい?」 あたしと遼は手を並べて前に出した。 おじいさんは出された手を見ると、にっこりして目尻にしわを寄せた。 「はずしてもいいかな?」 「はい…」 おじいさんはゆっくりと指輪を抜き取った。 おじいさんはあたし達の指輪を重ねて見せた。 遼の指輪とあたしの指輪。 遼の読めなかった文字とあたしの指輪のラインが重なって一つの言葉になった。