「乃愛そういえば、明日休みだよな」 「何で?」 「創立記念かなんか」 「そうなんだ」 「明日さ…ついてきて欲しいところがあるんだ。」 「うん…」 「あとさ、指輪まだ持ってる?」 「うん。捨てるわけないもん。」 「付けてよ」 あたしは遼を突き放したあの日、指輪は小さい頃の宝箱に仕舞った。 もう二度とあけるなんて思わなかったから。