あたしは次の朝すぐに出ていった。

怖かった

無我夢中で走った


「遼…っ」


「乃愛?」

「あたし…っ」

「どうした?」

遼は優しく髪を撫でて家までつれていこうとした。



『乃愛』あたしを優しい声で呼ぶ…あたしは汚れてる。

遼。あたしは汚れてるの。

あたしは遼を突き放したのに。
あたしは、甘えちゃいけないの。


「あたし一人で帰ってる」

「でも!」

「大丈夫だから」