「乃愛ちゃん。どれが福山?」

「呼び捨てにしないの。」

「どれ?」

「福山は俺だけど。」

「兄ちゃんとどっこいどっこいだな。」

「なにそれ?」

「こら、翔樹くん。ごめん聖司。」

「乃愛ちゃん何んでるの?」

翔樹くんはどこからか持って来たのか、パイプ椅子をあたしと聖司の間に座り、プログラムを広げてペンを持っている。


「二人三脚と全員リレー。」


ふむふむと言って、線を引いている。


「天野ミニ。」

「僕は翔樹。哀川翔の翔に大樹の樹。」


「変わった子だね。」

「遼にそっくりなの。」


「へぇ・・・。」