ヴヴヴヴ...ヴヴー...




枕元に置いてあった携帯が小刻みに振動し、私を眠りから覚まさせた。





「もう!!」



乱暴に携帯を開くと、ディスプレイには【お母さん】と表示されていた。





「もしもし?」





「奈々?お母さんね、少し帰るの遅れちゃうの、雪で電車が停車してるのよ」





ふぅん。




「分かった」





じゃあね、と素っ気無く返事をするとピッと通話をやめた。