シュウがいないと、やけに時計の針の音がはっきり聞こえる部屋
それが嫌でテレビをつけて気をまぎらわす。
でも、テレビの中は賑やかで楽しそうなのにあたしの心は沈んだままなんだ。
グウー
「お腹空いた…。」
気がつくと、外は暗くなっていた。
こんな気持ちの時でもお腹は減る。
それでも料理をやる気にならなくて、煮物とか手の掛かる料理は作らないことにした。
お父さんと私の二人分の量の炒め物を手早く作って一人で食べる。
正直、一人で食べても味なんか分からない。
今、例えどんな美味しい料理をだされて食べても美味しいって思えないだろうな。
それだけ胸にぽっかり穴が開いていて、
シュウがいないだけでこんなに寂しいと思わなかった。
寂しいよ、シュウ…。