「も、もう大丈夫だから。お、屋上っ!屋上行こう。」


あたしは慌ててそう言うと、涙を拭いて立花君に笑いかけた。


立花君はあたしから、ゆっくり離れて微笑む。


「涙、我慢しなくていいのに…。」


「うん…。でも、立花君に迷惑かけちゃうから。」


「俺は、構わないよ。
滝川さえよければ。」


そう言った立花君は、ちょっと寂しそうな顔で小さく笑った。


そしてあたし達は、屋上に行くため階段を上り始めた。