そんなシュウの後ろ姿を見ていたあたしは、だんだん視界がぼやけてきた。


「う……っ」


目に涙が溢れる。


涙が目からポロポロこぼれて、冷たい廊下に雫が落ちる。


そんなあたしを見て慌てる立花君。


「どこか痛い?足でもひねった?」


違う。


痛いのは心。


胸の奥が張り裂けそうなぐらい痛い。


シュウに背中を向けられることが、こんなに辛い事だなんて思いもしなかった。