あたしの話を、黙って聞いていた詩織は口を開く。


「…沙紀。
キスには驚いたけどね、
知ってたよ。仲山君の気持ち。」


「え?」


あたしはびっくりして、目を丸くしたまま詩織を見る。


あたしが気づかなかったシュウの気持ちを、
詩織が知っていたことに驚いた。


「あれだけ好きって言われてて、いくら何でも鈍すぎでしょー!?」


「でも!
好きって、シュウが言い始めたのは、物心つく前からだったしっ」


そんな事分かるはずないよ。


軽くパニックをおこすあたし。


それを見ながら、冷静に詩織は話す。