あたしの前に立っていたのは、同じクラスの立花 健吾【タチバナ ケンゴ】君だった。


「うん?いいよ。」


何だろうと思い、席を立ち、立花君のあとをついていった。


教室から離れた裏庭まで行くと、立花君は振り向いた。


裏庭には誰もいなかった。


急に強い風が吹き、スカートと髪を押さえる。


「誰か付き合ってる人いる?例えば、仲山とか…。」


「ううん。誰とも付き合ってないよ」


なんでシュウが出てくるんだろうと思いながら答えた。


「良かった。それなら、俺と付き合ってください。」


「は?」


なんで?この人と喋った事って余りないよ。


同じクラスってだけ。


でも、好きって言ってくれたことが嬉しかった。


「あの…。ちょっと考えさせてもらっていいかな。」


「いいよ。いい返事待ってる。」


そう言って、立花君は微笑んだ。