「美緩、おはよ~」


「おはよ☆はあ…疲れた」




里織と歩き出す。



「朝からなんだそれ~」


「だって、奏斗と陽菜がさぁ…」


「どんまい♪」


「あれ、里織って兄妹いなかったっけ?」


「ぅち?いないよ~」




兄妹のいない人が羨ましくて仕方ない。



「いいなぁ~…一人っ子」


「よくないよ?!」


「ええ、羨ましい…」


「ぅち兄妹ほしいんだけど~」




奏斗をあげれるものならあげたい…。




そんな思いを抱きながら歩く。




「ぅちさあ…今度、篠本(しのもと)に告るさ♪」




篠本…?


誰だっけ?


あ、里織の好きな人か。




「ん~…まじ?頑張れ~」



「クリスマスまであと1ヵ月ちょいだしね☆」




告白とか…


凄いなあ…




あたしだったら絶対できないや…



「美緩は好きな人とかいないの~??」




好きな人…




遼の顔が浮かぶ。




違う違う!


好きなんかじゃなくて…

可愛いとかそういう感じ!




いや、なに自己嫌悪してるんだろう…




わーーーーー!!!





違うったら違うもん!




「いないかな★」


自己嫌悪の末、出た答え。


冷静に言ったつもりだけど声が裏返ってしまった。



「声裏返ってるけど?笑
ふーん…
美緩、もったいないよ~?」



もったいなくない!!


いや~…




あたしに恋する資格なんてないもん…





どうせ、尚に振られた身ですようだ…。




「野宮…だっけ?
気にしなーいの☆」


「うん、ありがと♪」






そういえば里織も前、尚のこと好きだったなあ…