鞄を取って、教科書を詰め込む。
そして部活の鞄も持ち、部屋を出る。
今日は6時間授業。
鞄の重さがずっしりと肩にのし掛かる。
歩くのも辛いほど重い。
玄関に行くと、ドアの向こう側に誰かが立っているのが見えた。
「美緩~!!宅急便…」
お母さんがリビングから叫んでいる。
「ごめん、無理!!」
お母さんのお願いを無視して家を出る。
「…あ、宅急っ…」
「おはようございます。では☆」
宅急便屋さんの声を押しきり、走り出すあたし。
なんか悪いことをした気がして、バツが悪かった。
横断歩道の信号の下に里織(さおり)が手を振っている。
時刻は7:54。
里織は朝から元気。
あたしが近づくとスキップをしだした。
なんだかんだ言って、あたしと里織は小学校の時からの親友。
朝もこうやって一緒に学校に行く。
部活の時もそう。


