ジリリリリリリリリ…―
「…ん……。」
目が覚めた。
「…夢…だったんだ…」
夢を見て思い出した。
入学した頃に起こったことを。
「遼?」
あの時ぶつかったのは遼で…
この間、遼が言おうとしていたのはこのことで…
全てが繋がった気がした。
「美緩~?ご飯できたわよー」
お母さんが呼ぶ。
「はーい」
と返事をしてリビングに向かう。
「おはよう、美緩」
「おはよう、お母さん」
「あれ、奏斗(かなと)と陽菜(ひなた)は?」
「まだ寝てるわよ」
奏斗は弟だ。
小学校1年生。6才。
陽菜は妹。
幼稚園の年中。4才。
ふと、お父さんの椅子を見る。
カバンがない。
もう仕事に行ったみたい。
「ふー…」
と深いため息をついた後、
「いただきます」
と言う。
朝御飯の鮭の塩焼きを大急ぎで食べる。
そして、自分の部屋に戻って準備をする。
時刻は7:40。
まだ余裕の時間なのでベッドに寝転がり、携帯をいじっていると…
「おねえ♪」
ドアをノックもせずに奏斗が入ってきた。
「何よ。勝手に入ってこないでって言ったしょ~」
「だって、仕方ないもん☆」
「や、意味分かんないし」
奏斗は楽しそうにあたしの座ってるベッドに座る。
「お兄ちゃ-ん…」
げっ…
陽菜も来た。
「奏斗、陽菜。おねえ準備しなきゃいけないからお母さんのとこ行っといで?」
「「…はーい」」
奏斗と陽菜はおとなしくリビングに向かう。
「朝から疲れる…」
また深いため息をつく。


