「そ、俺の彼女♪」
拓弥はあたしの頬にキスをする。
あたしにはわけがわからなくて
頭がクラクラしてきた。
「…そ、そうですよねっ
ごめんなさい……
ありがとうございましたっ」
明里、という名の先輩は走って行ってしまった。
試しに、拓弥の袖をくいくいと引っ張ってみる。
「ん?」
いつも通りの返事。
「今のって……告白??」
「あー…言ってなかったな…
卒業式に告られたのさ、卒業生じゃないのにな?笑
んで、返事^^」
あ…そういうこと。
地味に納得。
「……モテるね~…」
羨ましいわ、本当に。
「大丈夫だって★
俺には美緩だけだし」
拓弥の嘘のない笑顔に安心する。
「よしっ、入学式行こっ!!」
二人でダッシュ。
玄関にはたくさんの人だかり。
きっとクラス分けの表だろう。
すると、声が聞こえた。
「すごいっ!!
寺脇先輩、また学年トップだって!!」
「姉弟そろって、3年間学年トップなのかな?」
ええっ……
「ちょ…拓弥??」
「どうした?」
「拓弥って…学年トップだったの?!」
「大したことねえよ?」
「天才発言……笑」
カッコよくて
優しくて
頭よくて
人気者で……
そりゃモテるよね…
この高校にはあたしの知らないことばかりがある。
あたしも頑張ろ。
頑張って学年トップとってやる!
………無理だけど。笑
そんなこんなであたしの花の高校生活のスタート。
頑張ることばかりが重くのし掛かる。
でも隣には拓弥がいるから。
あたしは頑張れる気がした。


