「あ…っあたし!かえるから!」






すくっと立ち上がり、和樹くんを見ないようにして走った。


背中には和樹くんの視線を感じる。


ごめん。ごめんね。和樹くんのことは嫌いじゃない。むしろ好き。

だけどそれは恋じゃない。




悠太といるときみたいにドキドキしたり
悠太といるときみたいにハラハラしたり



悠太だけに感じる気持ちが「愛」だと思うから。








星はきれいに空にちりばめられていた。
あたしは涙でぐしゃぐしゃの顔を上げて眺めた。




「…ごめんね…」




流れ星が一つ、夜空を横切ったような気がした。