そうしてベランダに行くと美雪ちんはいつも笑って待ってくれている。

「えへへ。帰ってたんだ」


寒そうに震えながら手を温める。寒いんなら出てこなきゃいいのになあ。

…なんて嬉しいくせに考える。

「なんかさ。忙しそうだから手伝えることないかなあと思って」

メールすればいいのに。まあ俺はメール自体好きじゃないからいいんだけど。

ニヤニヤしてないか不安になって顔をペチっと叩いた。

冷静に。落ち着け。俺のバカ。