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放課後

『…水月。帰ろ』

「え?あ…うん」

鞄に教科書を入れていると遊馬が話し掛けて来た

いつもなら私が声を掛ける方なのに…

遊馬の変わった行動に疑問を持ちつつも立ち上がって帰ろうとした時

『俺も一緒に良い?』

後ろから大紀が話し掛けて来た

大紀の後ろでは沙織が騒いで居るが大紀はお構いなしに私の腕を掴んで来た

『…ね?良いでしょ?』

「…え…あ…」

遊馬の返事を聞く前に大紀は私の手に自分の手を絡めるとスタスタと歩き出した

「ちょ…だい…き」

遊馬は唖然とした状態で教室から出て行く私達を見ていた

クラスのみんなも同じように見ていた





校門を出ても大紀は手を離そうとはしなかった

「大紀っ!」

やっとの思いで大紀の手を振りほどいた

『あ…ごめ…』

大紀に握られていた手が熱い

あんな事は初めてで、何だかドキドキしてしまった

『…何か…みーちゃんが辛そうだったから』

大紀の優しさが身に染みた

大紀と付き合っていたら

幸せになれたのかな