背中にはバック。
手には大きめのスーツケース。
明らかに映画を見る格好ではありません。
それに、先輩が向かっているのは川の方角。
「いったい、何をしに行くんでしょうか……」
私は道を行き交う人々にまぎれながら先輩を追います。
しばらくして先輩は、にぎやかな町から外れ、河川敷(かせんじき)に出ました。
不可解な行動はさらに続きます。
「……あ、おりちゃった……」
先輩は土手をくだり、川岸の砂利道(じゃりみち)におりていきます。
姿勢をひくくしてのぞいて見ると、そこには先輩の他に2人の、
「不良さん!?」
がいました。


