私は今、映画館の前に立っています。
道行くカップルを見ながら、数時間後にはあのようになるのかなぁなどと想像し、むねの鼓動はさらに激しくなります。
ずっとこの日を待っていました。
七瀬先輩とデートする日をです。
にぎわう町の様子は、いつもは私にとって好ましいものではありませんが、こんな日ばかりはそれも心地よく感じます。
不思議なものですね。
「…………」
私はふっと、空を見ました。
「……そろそろ、時間、ね……」
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