「行けよ!」 「行ってよ!」 ラムも兄も、負けを認めようとしない。 この二人においては、喧嘩とは、勝ってなんぼの世界という感じだ。 喧嘩するほど仲がいいとはよく言うが、二人の場合水と油、いや、核兵器の核分裂反応みたいと言っていいほどである。 二つの物質が交ざると激しく反応し、爆発する。 「やんのか、こら?」 「やるの、お兄ちゃん?」 二人の戦闘心がピークになり、ラムは空手、兄は柔道の構えをとった。 真夏の太陽の下、まったくこの二人は何をやっているんだか。