こうやって二人で映画館へ行くのも何年ぶりだろう。 俺とラムは、いつも近くにいるようで離れていたのかもしれない。 だから気付かなかった。 こんなにもラムは成長していたのかと。 オヤジ、母さん、ラムはいい子にバシン!! 「ぐへあ!?」 突然走った横腹の痛みに、俺の両親へ送ろうとした言葉はとぎれた。 「なにぼぉーとしてるの、お兄ちゃん。映画館はここよ?通り過ぎるき?」 この悪魔! 一発頭をなぐってやりたい!! 俺はそう思った。 「早く!早く行こ!」