そして、しばらく黙って歩こうと俺は口をかたくとじたのだ。 しかし、次の瞬間、 「……うわ!?」 腕をぬかれるいきおいで、ラムが右腕に抱きついてきたのだ。 「な、なんだよラム!?」 俺がそう言うと、 「お兄ちゃん、早いんだもん!」 と言ってそのまま離れない。 俺は奇妙な緊張感にどきどきしてきた。 ラム、こんなに胸、あったか?こんなに身長小さかったか? いろいろなラムに対する何かが、俺のなかからあふれ出てくる。 ……そういえば、両親が死んでから、ラムとこんなふうに歩いたことはなかった。