全然、力が入りません。



ちょっと、泣きすぎたかな。
ここ何年、映画や小説でしか泣いてなかったから、思ったより疲れたのかな。



「こうなったのは、お兄ちゃんが幸せになったからよ」



もう、腹立たしくて仕方がありません。



ラムはガムテープをべりべりと伸ばします。



「入れなくしてやる」



きっとひどい顔でそう言ってたのにちがいありません。



ラムはガムテープのねばねば部分をドアに向けます。



「うーっす、ただいまぁああ!?」