「輝くん………今、人気者なの…?」
「え、…うん。そうだけど………心結?」
顔を俯かせたあたし。
それに気付いて、羽奈ちゃんは驚いた声を出した。
「ちょっと、……心結ってば泣いてるの?」
「え?」
あたしの頭に手を乗っけた羽奈ちゃん。
その言葉にびっくりして、あたしは思わず顔を上げる。
「泣いてなんかないよー?」
「あー…そっか。泣いてるように見えて」
「なんであたしが泣くの。まぁ輝くんが人気者なのはショックだけどね……」
「それこそなんでよ。心結には見る目があるってことじゃん?」
見る目ねえ……。
心の中で呟く。
羽奈ちゃんが言ってくれたことはうれしいんだけど。
「あたしは元々、見る目あるんだもーんっ!!」
「あわわわっ!心結っ、分かったから暴れないでっ!」
ソファーの上で飛び跳ねるあたしを羽奈ちゃんは押さえ付けた。
あたしはもともと見る目あるもんっ!
だけど───……
「あたし、みんなが騒いでるような感情と一緒じゃないよ……」
暴れるのをやめたあたしを、少しびっくりしたような目付きで見つめる羽奈ちゃん。
押さえ付けていた両手を離して、ソファーに座りなおす。
「そのくらい分かってるって」
「……え?」
開き直ったような声で羽奈ちゃんはそう言った。
思わず目を見張ったあたしだけど、次の瞬間には我を忘れて、目の前の羽奈ちゃんの胸の中に飛び込んでいた。
「羽奈ちゃーん!分かるの?羽奈ちゃんには分かるのー?」
「分かる分かるって!分かるから、勢い良く抱きついてこないでっ!」

