「輝………?」
「うん。輝くん…すっごい可愛いと思わない?」
首を傾げた琢也に、哀願するかのように同意を求める。
入学2日目にして新しくできたお友達(仮)、琢也。
輝くんが好きな琢也には、輝くんのよさ、分かるはずっ!
そう願って琢也に迫り寄ると
「かわええ……」
「えっ、琢也?」
「ちょっ、比呂、静かにしてっ」
「輝……めっちゃ可愛ええよなっ!」
「わっ、分かる!? 琢也は輝くんの可愛らしさ、分かるのっ!?」
「当たり前やろ。あんな可愛いらしい男は、俺見たことないわ」
「み、心結ちゃん!? 琢也!? 」
あたしと琢也は立ち上がり、手を組んだ。
ああ、
ここに1人輝くんの素晴らしさを分かる人物がいる………。
なんて幸せなの………。
琢也が天使に見えてきた。
輝くんのことを一緒に語れるのは琢也しかいないっ!
そう気付いてしまった。
琢也………ごめんなさい。
関西ウルフだなんて、変なあだ名付けちゃってごめんなさい。
「何してんのお、2人とも」
「あー、何か意気投合っちゃって」
お昼から帰ってきた栞の呆れた声も届かず、あたしは琢也の後光に目を眩ませていた。

