「琢也(たくや)です!」
えくぼをつくって自己紹介した関西ウル………琢也は、なんとなく好印象。
第一印象より、人懐っこそうな態度がどことなく比呂に似ている気がして……。
「み、心結です」
「え……ミユ?ミユ、ウ?」
「ミユ“ウ”です」
「じゃぁ、ミユって呼ぶわ」
「いや、ミユウですっ」
「俺は、琢也。そんままでええよ」
「あたし、心結……」
「よろしくなっ!」
琢也ははにかむとあたしの右手を奪って、ぶんぶん上下に振る。
こんな握手したことないよっー。
助けの目を比呂に向ければ、比呂はケラケラ笑ってるし。
そして結局、琢也はあたしのことを“ミユ”と呼ぶらしいし。
「俺、輝と仲良うなったぞ?」
「まじ?」
「話し掛けたらあっさり打ち解けてんで?」
「うっそ!あの輝が?」
「ほんまほんま」
「やるなぁ、琢也」
2人の会話を聞いていると、琢也と輝くんは相当仲良くなったらしくて、比呂も琢也とかなり仲が良いみたい。
輝くんの友達は、異色な人物が多いみたいで
輝くんの友達は、輝くんのことが大好きみたいで
「輝くん……可愛いよね…」
我慢できずに、あたしもその輪のなかに入りたくなった。
ていうか、入った。

