王子様を見つけて?






「じゃ、ここでお別れだね」


「うーん…」







羽奈ちゃんに言葉の浮かない声で返事をした。


羽奈ちゃんのいう通り、ここでそれぞれの教室に向かわないといけない感じ。







「羽奈ちゃん、あたしの教室に遊びきてよね?」


「当たり前じゃん」


「へへっ。ありがと、羽奈ちゃん」


「けど、心結もクラスの中に入れば友達できるでしょ?そんなに心配しなくていいんじゃないの?」


「そっか。そうだよね。A組で友達つくればいいのか」


「心結がんばっ」






ガッツポーズを作ってあたしの背を押してくれる羽奈ちゃん。


最高の笑顔であたしを安心させてくれた。




やっぱ羽奈ちゃんはあたしのこと、ちゃんと分かってくれてるんだよね。


どうすれはあたしが安心するのか、分かっててくれてる。


そう考えたら、ますます気が楽になって、なんだか新しいクラスでもやっていけそうな気がしてきた。






「じゃ羽奈ちゃん。あたし行くね」


「もう、最後のお別れじゃないんだから」


「はは。なら、また後でね!」







きびすを返して、羽奈ちゃんに手を振る。


A組は廊下の1番端っこ。



そこに向かってまず1歩目を踏み出した。









…………………その瞬間。












どん