え───…!?
思わず目を擦りそうになった。
目の前の輝くんが、とっても赤い顔で視線を泳がせていたから。
とんでもないものを見た気分になり、開いた口が塞がらない。
輝くんが…………
照れてる……──?
信じられない光景に暴れていた心臓がとまった。
身体中の血液がどばーっと逆流しているみたいにぞわぞわする。
大きな瞳が揺らいで、なんだか動揺しているみたいに見えて、あたしの恋心が容赦なくくすぐられていた。
眉をしかめて、口元を手で覆う輝くんはしばらくすると、咳払いを1つして
「飯くらいなら……いいぜ」
そう言って目を合わせてくれた。
座っていたあたしは我慢できずに立ち上がり掴み掛かる勢いで
「本当にっ!?」
と、輝くんの腕を鷲掴みしている。
「ああ。ダメっつっても這いつくばって、俺に承諾得ようとしそうだし」
「えっ!?あたしそんなに強引?」
「ははは、さあな?」
女の子より少しだけ太い輝くんの腕に触れている手の平が、妙に汗ばんでいくような感じがしたあたし。
ははは、と笑った輝くんの白い歯がこちらの目を細めた。
キラリとした歯も笑顔も眩しくて、またドキッとしたじゃん……。
それからあたしの隣に座った輝くん。
それを合図に拍車がかかったようなあたしの鼓動は、静まることをしようとしないどころか、落ち着くという言葉を忘れたかのように激しく打ち付けるばかりだった。

