「校舎、めっちゃ奇麗だよー!」
「心結……。」
さっきのテンションの下がり様とは打って変わって
「何よ?今の元気は…」
隣で苦笑いする羽奈ちゃんの声も耳に届かず、あたしはピカピカの廊下を見渡した。
クリーム色の床と、アンティークな扉といい窓といい
全てがあたしの好奇心くすぐる。
だから、勝手にテンションが上がってしまったよ。
わっ!!
これまたお洒落な階段。
それを1歩1歩踏みしめて歩いていくのも、なんだか悪くないや。
「心結、ニヤけてんだけど…」
頬をつんつんする羽奈ちゃん。
そういう羽奈ちゃんも、いい顔してるじゃないかぁ。
「あたしこうゆう雰囲気、好きなんだよねー」
自分でも完璧な笑顔を羽奈ちゃんに向けると彼女もつられてなのか、首を傾けて微笑んだ。
階段を4階まで上がったところで辺りを見渡す。
通りすぎる人たちがみんな、新品の制服を来ている。
そこで、ここが一年生の棟なんだと判断。
「ここみたいだね」
「うん。赤のリボンばっかいるね」
羽奈ちゃんはそういいながら、自分の胸元にある、赤いチェックのリボンを整える。
一年生は赤
二年生はピンク
三年生は黄色
となっているのも、あたしがこの学校が好きな理由の1つ。
一学年あがるたびに、かわいいリボンがつけれる。
しかも三年生になれば、珍しい黄色のリボン。
だから、ここの1・2年は3年生になりたいと憧れるものらしい。
あたしもその1人です。

