変な声が聞こえてドアの向こう側を見れば、あいつ
─────當間心結がいるし。
そして、無視はしないって約束したから、ちゃんと話してやれば
ゾロ目だの何だのって…………、
こいつ絶対バカじゃんって思った。
なのになのに……。
何か握手求められた?
その右手は、俺の右手を差し出せってとだろ?
うっすい手のひらが俺の前にある。
よろしくって握手だよな?
って、挨拶だけの握手に、なに戸惑ってんだよ、俺。
あーくそ、
可哀想だから握手してや───
「え?」
「…………え?」
こいつ、手ぇ引っ込めやがったああっ!!

