さっきの『ゾロ目だよ!おめでとう!作戦』も呆気なく失敗し、なんとなくあたし的にやばい雰囲気を改めて
「あたし、輝くんの隣の部屋なんだ」
「ふーん」
「だから、──はいっ!よろしくね!」
手。
握手を求めて輝くんの目の前に差し出した。
うわーーーっ!!
めっちゃドキドキする。
握手、……握手だけでかなり緊張するっ!
輝くんは、あたしの右手を見つめる。
冷静な顔して、見下ろしている。
そして、チラッとあたしの顔に目を向けた。
あ、握手…してくれるかな………?
ここでしてくれなかったら、あたし、なんかってかかなり恥ずかしいよね…。
そう考えると、ますます緊張してきて、手に汗が滲んでくる。
や、やばいっ……!
手汗にぎったまま、輝くんと握手なんかできないっ!
とっさの出来事だった。
手汗を気にして、一度手を引っ込め制服のスカートでゴシゴシ拭くあたし。
と同時に………
輝くんが………
あたしの目の前に、手を差し出していたんだ。

