王子様を見つけて?






ガチャ、という音と共に扉を開けた。





すっご、やっぱ豪華だ……。






なんて、改めて四方八方に首を回しながらそう思った。



こんなところにあたしは慣れるだろうか。


ありきたりな普通の寮生活でいいのに……。










そんなことを考えて隣の部屋のドアへ近づく。






2070号室────。







どんなラッキーな人なんだろう。

ゾロ目だなんて、どんな運のいい人なんだろう、






ワクワクした気持ちで、ドアノブに手を掛けようとした─────その時……











ガチャ
「っぶ………!!」











いきなりドアが開かれた。




「〜〜〜〜〜っ!!」





いったあああああああああいッ!!!




言葉にならない痛みを噛み締めながら、ドアを開けた張本人を見上げた。








そこには、明るい髪の毛に大きな目をした、しかし意外にも背の高い…………って










「ひ、ひひひひひ輝くんっ!?」




「……あ?」










鼻の痛みなんてなくなっていたよ。