その荷物の量に、ややびっくりしつつも一通り片付けをし終えた。
片付けに30分ほど時間がかかったけど、まだ時刻は夕方4時前。
思ったより余裕があった。
羽奈ちゃんたち、遊びにくるっていってたよね?
そのことを思い出し、携帯だけをもって玄関に向かう。
プルルル…
しばらく機械音が聞こえたあと、元気な女の子の声が耳に届いた。
『もしもーしっ』
「あぁ羽奈ちゃん?今あたし自分の部屋の前にいるんだけど…」
『あっ、もう整理終わった?こっちもあと少しで終わりそうなんだよ』
「栞は?」
『栞?……うーん、さっき見に行った時はまだまだだったけど……。ウチはすぐ終わるから、そのあと心結の階に行くね』
「わかった。エレベーター乗ったら携帯鳴らして?その間、部屋いるから」
『おっけーい。あ、でも心結、今のうちに隣の部屋の人に挨拶でもしときなよ』
「え?隣の人?…それってっぱしたがいいのかな?」
『したがいいでしょー。しばらくはお隣さんで付き合うんだから』
「そっか。じゃ、羽奈ちゃんたち待ってる間、やっておく!」
『うん。頑張って!じゃ、またあとでね』
電話を切って、スカートのポケットにしまう。
新品のローファーの爪先をとんとんと床でならして、部屋の扉を開けた。

