王子様を見つけて?





そこでは、部屋の階数と番号と鍵、寮での規則、案内図などを受け取った。




羽奈ちゃんと栞は3階の、お隣同士。



「うそー!やったね羽奈」

「うん!よかったー栞と同じでぇ」




手を取り合う2人を横目にあたしも自分の階数を確認。



「心結?心結は何階?」

「……階」

「え?」

「5階ー…」

「……………」





羽奈ちゃんと栞は、唖然としている。


あたしが手に持つ、詳細の紙をあたしを囲んで覗く2人。





あたし5階?
羽奈ちゃんと栞は……3階?






「なななんでぇぇぇぇぇー!?」


「心結っ。お、落ちついて!」





ショックのあまり、大声で叫ぶあたしを、栞が宥める。


2人の顔も、だんだん歪んできたのが分かった。





「うそでしょ?なんで羽奈ちゃんたちは同じなのに……」


「ぐ、偶然だよ。たまたま同じだっただけで、本当は別の階だったかもなんだよ?」


「そうだよ。たまたまってたまたま!そんな落ち込まないでよ、心結」



なんて励ましてくる2人だけど、思いっきり二ヤけてますから!

お互い隣の部屋になれたからって……このやろう




「まぁさ、一応部屋いこうよ。もしかしたら心結は隣の人と仲良くなるかもしれないじゃん?行こ?エレベーター、あそこだよ」



気を遣ってるのか遣ってないのか……。


早口にまくしたてた栞につられて、あたしたちはエレベーターに乗り込み、3階と5階のボタンを押した。