「すぐそこじゃん!」
思わず声を上げる。
純心生がちらほら目にできるその寮は、校舎のすぐ隣にあった。
校舎と寮は、フェンスと大きな植木のような大木で仕切られている。
どうりで気付かなかったわけだ。
それに、
「ここ、きれくない?」
「あ。ウチも思った」
やけにお金持ちな施設に見えるのはあたしだけじゃなかったみたい。
誰がどう見ても、すごく綺麗な造りに見えるに違いない。
躊躇いながらも、寮の入り口へ向かった。
玄関?正門?入り口?
どうよんでいいのかしら。
自動ドア式の寮に入ると、やっぱり思った以上に広かった。
あんまりキョロキョロせずに、フロントの人に声をかける。

