「そんな人、いるんだー」
浅い相づちを打つ羽奈ちゃん。
「心結が言うほど、輝はできた人間じゃないよー?」
あたしの絶賛意見を否定した栞に、首を傾げる。
「そぉ?輝くん、いいじゃん」
「いい悪いだったらいいかもしんないけどさ」
栞が何を言いたいのかよく分かんないけど、とにかく悪い人ではないんだろうね。
「心結が本気だったら、頑張るのみだと思うよ」
「え?」
突然な羽奈ちゃんからの激励の言葉に、驚く。
栞と言い合っていたから、羽奈ちゃんの真剣な表情に気付かなかった。
「ウチはいつでも応援するから。ね?栞?」
「え?ああ、当たり前だよ。いろいろセッティングしてほしいことあったら、言ってね?輝なら、すぐに用意できると思うから」
「羽奈ちゃん……栞ー」
なんだか、心に染みるお言葉に涙が出そうだよ……。
この2人と、同じ学校になれてよかったな。
「じゃ、遠慮なく相談とかしちゃうからね?」

