「どのくらい、モテてた?」
素朴な疑問が沸き上がる。
サッカーできて、かわかっこよくて、そんな男子ってどのくらいモテるかなんて、あたしは知らなかったから。
そんなの、異世界だけの人物だから……興味本位で、聞いてみた。
「輝ー?人並み以上にはモテてたよ。よく告白現場、見たし」
栞が当時の現場を思い出しながらか、斜め上を見上げてそう言った。
頬杖をつく比呂も、何かを思い出しているみたい。
「んー。でもあいつ、部活やめてから、とっかえひっかえ……だ、よ」
「いい顔してるもんね、輝」
いいづらそうに発した比呂の言葉。
さりげにフォローを入れた栞の声も、耳には届かない。
…………とっかえひっかえ、か。
今日会ったばかりだから、はっきり言えないけど、少しショックかも。
見た目からして、遊ぶような感じは漂ってはいなかったし。
とかいって、恋愛に興味なさそうな雰囲気はなかったかな?
よく、分かんないや。
よく、分かんないけど……
だけど
また会いたくなった。
あたしのこと
知ってほしくなった。
もっと
好きになれそうな気がした。

