「ぶはっ!あいつヤバくね?
突然、こちらに向かって声がする。
反射的に聞こえた方に首を動かすと、左隣に笑いながら頭を掻く男の子が。
「え…あ、ヤバイ?」
「ははっ。きょどってるし」
今度はあたしを見て笑う。
金髪の髪の毛に、通った鼻筋。
首元に見える、シルバーが少し気になった。
「何、人見知り?心結ちゃん」
「え…名前、え、あっ、えええ?」
またきょどってるーと、次は本気で爆笑しだした彼。
ちょっと困惑状態に陥りそうになる。
「ごめんね。栞と話してるの聞いちゃってさ。俺、こいつと同中」
後ろにいる栞を親指で指差しながら、彼は“鹿島比呂(かしまひろ)”と名乗った。
その時、シルバーがキラリと光り、またまたそこに目線が移ってしまう。
…………西中は、ギャル系の学校なのだろうか。
素直な感想だった。

