すんなり友達ができ、今後の暮らしにも未来が見えてきた。
栞は、一言でいうと美人ギャル。
ギャルなのに美人みたいな感じ。
ロングのつやつやした明るい髪に、強めのアイメイク。
細身で身長もそこまで低くはないから、すごくスタイルがよく見える。
肌は白いから、正統派ギャルなのかも。
「席につきなさーい」
担任になるらしい先生が入ってきて、互いのことを話し合っていたあたしたちは、一旦話を中断。
名残惜しいながらも、身体を前へ向けた。
「Ａ組の担任だ。銀吉屋徹(ぎんよしや とおる)。くれぐれも、銀ちゃんと呼ばないように」
呼んでほしいんだ……─
生徒に人気がありそうな雰囲気のおっさん先生。
この日を境に先生が、“銀ちゃん”ではなく“銀”と呼ばれることになったのは、自業自得だと言われることになる。
