津田じいは毎日のようにうち店に来ては父と亡くなった祖父の話しや昔のこの町のこと、昔の父のこと、好きな野球チームのことを話していた。



私は父の横で手伝いをしながらその話を聞いていて、話し方まで似るようになっていたから小学生にしてはおっさんぽかったのではないか。


『宿題終わったんか〜?』


と尋られ、

『まだー』

と答えれば


『よし、じーちゃんが見てやるからな。』

と言ってキライな算数ドリルは津田じいのつきっきりだった。


おかげでちょっとは算数もできるようになったし、そろばんを引っ張り出してくる津田じいが先生になって店の隅で生徒は一人だったけど、そろばん教室もやっていたから、暗算も得意になった。