だれ……?

「ウィ…ル」

私は、微かな声で呼ぶと

「椿様!!」

その声は…

「ティルなの…?」

「そうです。あぁ。このような姿になって…」

ティルは、私を抱きしめ涙を流す

すると、ティルの瞳は赤黒く冷酷な色に変わった

「よくも、椿様を…」

まわりの空気が凍り付くのを感じる

ティルの背中には真っ黒い大きな羽

その姿は、ヴァンパイヤと悪魔を合わせたような感じ

体をガタガタさせる男

「お前は、僕の大切な人を傷つけた。お前には死んでもらう」

そう言うと、ティルは男の首に長い爪をあてる

「や…やめてくれ」

真っ青にして頼む男

「いま、この男を地獄に…二度と出てこないよう」

そう言うと、男の首を一気に長い爪で切りつけた

「いま、地獄の門を開放せよ」

そう言うと、男は黒い渦に巻き込まれ消えていった