記憶のカケラ


そういえば、もう足は痛くないや……。
環境になれたのかなぁ?
……環境というか、足が歩くのになれたのかな?

そう思いつつ、ずっと周りをキョロキョロと見回していると、黄色に包まれている1つの家を見つけた。

あれって、もしかして……。

「私の家見つけたっ!前の夏も、いっぱいひまわり咲いてたもんっ」

そう。あの黄色は間違いなくひまわりだ。
お母さんは花の中でもひまわりが1番好きで、家にひまわり用の花壇を作ったくらい。
よくお母さんと一緒に水やりしたっけ……。

「あ、あれ!葵のお母さんじゃない?」

眩しい太陽のせいでよく見えないけど、目を細めてみると……。
確かに、ひまわりの近くに女の人がいる。
なんか急に……幼い心に逆戻りしたみたいに、お母さんに抱き着きたいよ……。