記憶のカケラ


「……葵!」

「へっ!?な、何っ?」

急に唯花が大声出すから、軽く声が裏返っちゃったじゃんっ…!

「なんかさ、明るい話しよっ?そだ!昔好きだった人は覚えてるっ?」

唯花…、空気を変えようとしてくれてるんだ。
その優しさは前と変わってないなぁ。

「えとっ……誰だっけ?」

「…あんたねぇ」

ヤバイ。
いろんな意味でヤバイ。
せっかく唯花が空気を明るくしようとしてくれてるのにっ……。
しかも、前好きだった人の顔すら思い出せないっ…!
えぇと、えーと……。

「……もぅ、いいよ。葵を家に連れてくって、罫に電話してくるね」

「あっ……ぅん…」

どうしよう。怒ったかな…。
けど……なんで好きだった人が思いだせないんだろう…?
それって絶対おかしいよね?
……また、病院行ったほうがいいのかなぁ。

そう考えていた時だった。