記憶のカケラ


「功って、私……そんな人知らない…」

「ぇ……」

部屋が沈黙になった。
なんでだろう。
この人は私を知ってるのに、私は全然知らない……。

「本当に覚えてないの…?」

「うん…」

必死でその人を過去の記憶から見つけ出そうとするけど、考えれば考えるほど頭が痛く感じる。
どうして……?

ずっと考えていると、功はゆっくりと立ち上がった。

「………ごめん。俺、帰るわ…」

目のやり場をなくした功は、さっさと部屋を出ていってしまった。

「……俺、功送ってくるわ」

罫も出て行ってしまい、部屋には葵と唯花が残された。

なんか……とても大切なことを忘れてる気がする…。
けど……それが何だったかはわかんないょ……。