あたしは、明広が話終る前に携帯を明広の手から抜き取り、荒っぽく机から鞄を取り教室を出た。



…彼女??いつの間に??


正直そんな話聞きたくなかった。

亜美先輩がいいとか言ってた癖に、相手にされないからってあっさり乗り換える神経も理解出来ない。




「ちょっと、えみ!!」


驚いた美紗が後を追って来る。


「突然どうしたの!?」


「…ごめん美紗…。一人にして…」

そう言うと、察したかの様に“わかった”と言って見送ってくれた。


“♪♪~~♪♪♪~”




タイミング良くまた携帯が鳴る。



着信:楢崎 翔太



『…もしもし……?』
何となく電話に出た。
『…あ、えみちゃん?メール見た?』


『………ズズッ……』

『えみ…ちゃん?』




悔しくて?悲しくて?良く分からないけど、電話に出た途端涙が溢れ出してきて、どうにも止まらなかった。